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外出から戻ったら
1.脱いだ着物を衣紋掛け(きものハンガー)にかけて風を通して湿気を取ります。
- 汗をかいたときなどは吊っておいただけではしわが伸びない事もあります。
- 日焼けを防ぐために、直射日光や反射光が当たらないよう注意します。
- 袂にハンカチやちり紙が入ったままになっていることがあります。
2.ビロードなど柔らかい布でほこりを払います。
3.全体にシミや汚れがないか確かめましょう。
- 衿山
ファンデーションや汗、垢、皮脂の汚れ。
毛染めの色移り。 - 胸元
食事をしたときなどは要注意です。
抱きのしわを伸ばして、表地・胴裏を斜めから見て汗シミを見ます。
楕円形に艶がなくなっている所があれば、汗がシミになって後日、黄変の心配があります。 - 袖
袖口や袂の汚れ。振袖の長襦袢は振りの内側に泥はねが飛んでいることがあります。 - 帯下
背のしわを伸ばして汗のきわ付きとスレを見ます。
しわの強いときやスレの出ているとき、胴裏に襦袢や腰ひもの色移りのある時は汗をよくかいていると思われます。 - 前身頃
食べこぼしやはねが飛んでいないか。
座ったときに手を置く所は手垢や汗の汚れがつきます。 - 後身頃
泥はねや裾の汚れ。

しわについて
お手入れに預かった着物の帯下や、膝の後に強いしわが付いていることがよくあります。このあたりはよく汗をかくところで、帯・腰紐で締め付けられたところや正座をすることでしわになっているところに汗の湿気を吸うことで、しわは取れにくくなります。強いしわを取るにはアイロンの熱だけでは取れず、ある程度の湿度が必要ですが、この湿度が縮みを起こすことにもなります。強いしわの場合は折れた筋が残ることがあります。色の濃いものの中には、汗を吸った着物と帯がこすれ合って「スレ」ができ、帯下が白けて見えるものがありますが、中には着付け用のベルトのゴムが付いて、白く見えることもあります。