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地入れ

大島紬や結城紬などの織物は、糸に糊を含ませて織るので、仕立てる前には必ず糊を落とす「地入れ」が必要です。地入れをせずに仕立てると、織物本来の風合いが出ずごわごわした感じになります。折り目が切れやすく、洗い張りをしたときにも折り目が十分に伸びないことがあります。糊が残っている為にカビの原因にもなります。 もしも、地入れをせずに仕立てた場合は、仕立てたままでも風合いを柔らかくすることはできますが、糊分を落とすことは出来ません。もう一度解いて「地入れ」をすることになります。

紬類の「地入れ」によく似た名称や作業に次のようなものがあります。

湯熨斗(ゆのし)

蒸気で生地幅・長さを整える作業。手湯熨斗(絞りや刺繍の多い物など)と機械湯熨斗があります。

湯通し

大島紬など紬類を製織するときにつけた糊を、お湯に通して落とす作業を言います。(地入れと同じ作業)

地入れ

もう一方で、染め物の地色を引染する前に、染料がムラにならないようにするための前処理加工の事をさすこともあります。

ふかし

染め物用に織られた白大島や白紬などの糊を、染める前に落とす作業を言います。

地のし

仕立屋さんが、仕立て前にアイロンで正しい織り目、布目の状態に直し、安定した状態まで縮める作業を言います。

地入れ(湯通し)をする前の紬。

地入れ(湯通し)をしたもので、加工する前と比べてしなやかになっています。